先日、読んだ田中圭一さんの「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」がすごく勉強になったので、感想を書きます。
本書はうつになった経験のなる田中圭一さんがいろんな方に取材して、うつになる過程と、どうやってうつから抜け出したかを
まとめている本です。一人の取材が1話完結のゆるい漫画になっていて、読みやすくおもしろいです。なにがすごいって、重たいテーマなのに全体が軽く書いてあるためとにかく読みやすいです。本のタイトルにも「鬱」の漢字を使わず、絵を大きくのせているのも素敵ですよね…。
取材する人、それぞれ状況は違いますがうつになる理由やなる入り口として共通点があるらしいです。それが以下
・自分が悪いと思い込み、嫌いになってしまう
・自分に向いてないと思う仕事を我慢して頑張ってしまう
・子供のころのトラウマを清算していないまま
…だそうです。そのほかにもうつになったときの症状としていくつか紹介していたのですが、
読んでいて「あれ?そんな状況のとき、ぼくにもあったぞ。」と思いました。
軽い段階でしたが、入り口手前くらいまでは来てたのではないかなぁと思い返したります。
仕事と家庭が忙しいときに、みんなが笑ってることが全然おもしろくなかったり、文字が頭に入らないとか、あるあるでしたよ。
当時は簡単なミスがすごく多かったですね…。休日も疲れ切って気力がわかないので、無理やり外にでてノートPC開こうと思うんですけど、カフェ探すために
ひたすら彷徨ってしまい、ぼくは時間を無駄にした…という罪悪感が襲う。みたいな。
ぼくがそのまま、入り口に入らなかったのは、健康的な食生活と、生活をより意識しだしてからすこぶる体調がよくなったからです。
ぼくの場合睡眠時間が短い日が続いたり、インスタント食品が続くとメンタルがやられますねー。
料理の時間がもったいない!と思い、野菜をしばらく食べてなかったとき、心がすり減っている感覚をひしひしと感じました。
そういう意味でも、自分がどういう行動をとると、心がすり減ってしまうか、知っておくことは大事ですね。
うつという形のないものに形を与えた田中さんのマンガのすごさ
最後まで読み終えて、とても勉強になったと同時に、重たい話題や、難しい内容を
ライトにわかりすく伝えるのは漫画にしかできないことだなぁと思い、感動しました。
うつに妖怪のような形を与えてくれたことや、体験者の心の様子を絵で表現したりと、とてもわかりやすかった。
田中さんがtwitterで編集者さんによびかけて、
鬱を体験した二人からこの本ができたこと。
その始まりも合わせてすごく素敵だなぁと思いました。